「あっ、その……それでね!私は、戦争を起して、復讐するよりも、皆が好きな人と、好きなだけ一緒にいられて、笑って、時には喧嘩できるような、そんな世界にする為に力を尽くしたいって思うから」


「……………っ」



それに、レインは泣きそうに、それでも笑顔で頷いてくれた。



「俺も、今はその馬鹿みたいな夢物語を、本気で信じてんだ。お前となら、どんな奇跡も起こせるってな」



その言葉に、私は嬉しくなる反面、悲しくもあった。



唯一、私には絶対に叶えられない夢、奇跡がある。

私は、大切な人が、大好きな人達と笑い、愛しあい、共に命尽きるまで時を重ねる幸せを、誰もが手にできるような世界にしたいと言いながら……


この世界で誰よりも幸せにしたい人に、その幸せを約束できないんだ。


だから、私は………あなたに、悲しい顔しかさせてあげられないんだね、レイン。