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僕、ジルド・ティーマスは貧困地帯の村の出身だった。
水は渇れ、地は乾き、花も咲かない場所。
明日の食べるものなんてもっての他、その日食べるものもやっとな過酷な生活。
僕たちには明日なんて言葉はなくて、その日を生きるので精一杯だった。
「ジルド……生きてるか……?」
深緑の髪に揃いの瞳を持つ僕と同い年のセンリ・ベンスが無感情な瞳で僕に問いかけてくる。
「センリ…君もね」
同じ村で幼馴染みというやつだった。
こんな軽口が叩けるのは、センリがいたからだろう。
僕達は、空腹で、もう何日間も食べ物を口にしていない。もとはといえば、こうなったのも戦争のせいだ。
ここ、ゾング村はピスマルク国の領地とアルバンテール国の領地の境に位置し、どの国にも属さない独立村だった。
ここまで言えば分かると思うけど、ゾング村は鉱山を持っていた事からも他国から狙われていた。
そのゾング村の領地を巡って戦争が起きたんだ。
「こんな小さい村なのに……これ以上何を奪えば気がすむんだろうね……」
僕は誰に問うでもなく憎たらしい程に澄み渡る青空を見つめ、呟いた。
「全部…だろう。欲しいと思えば奪う、そこに人間がいたってお構い無しなんだろう…」
センリの言葉に、僕は笑った。
「こんな世界……滅んじゃえばいいのに」
汚いモノばかり。
痛いし苦しい事ばかり。
お腹は減るし、もう死んでしまえれば良かった。
「俺たち…どうして生きてるんだろうな…」
「そうだね……いや、もう死んでるのかも…」
動いてるのは心臓だけだ。
心も何も、僕には残っていない。


