「君に会いに来たよ、スイラン姫」
ニヤリと笑うその口には、鋭い牙が見えた。
「んん……」
あの時の、ヴァンパイア………
間違いない、あの、混血種の………
でも、どうして刻印は痛まなかったの??
いつもなら、ヴァンパイアに反応して痛むのに……
「今回は、僕に気づかなかったみたいだね?油断してたのかな、城なら大丈夫って」
そう言いながら、ヴァンパイアは私の口元から手を離した。
なんでだろう、刻印が今も痛まない。
もしかして、私がヴァンパイアとの共存を望んだから……?
なんて、憶測でしかないけれど。
もしくは、このヴァンパイアと話したい、そう思ったからかもしれない。
「いつか、あなたに私の見つけた答えを話したい、そう思ってたの。だから、会えて良かった」
不思議と、恐怖は消えていた。
だから、今はこの人に自然に笑いかける事が出来る。
「会えて良かった??君、変な事を言うんだね??」
ヴァンパイアはさぞ驚いたように目を見開いた。
その顔がおかしくて、クスクスと笑ってしまう。
「え?何、何で笑ってるのさ」
少し睨んでくるヴァンパイアに、私は安心した。
「あなたも、色んな表情をするのね」
残酷な面もあるけれど、それだけじゃない。
笑ったり、起こったり、驚いたり………心がある証拠だ。
「ねぇ、私はね、ヴァンパイアも人も変わらないって思うんだ」
「僕たちと君等人間が?よしてよ、大違いじゃないか」
ヴァンパイアは心底嫌そうに眉を寄せた。


