「スイラン………」
「王という立場は、誰よりも孤独よ。だから、誰にでも胸の内を明かす事は出来ないけど……」
私はレインを見て笑う。
「信頼できる存在には、その想いを話してね。私にとって、レインがそうだったように、父様にとってはスヴェンやヘルダルフおじちゃんだっているでしょ?」
その存在が、どれ程心の支えになったか……
言葉では伝えきれないけれど、どんな辛さも共に分かち合えば半分になるんだ。
「……スイラン姫の心意気やよし。俺が必ずケナンを支えるさ」
スヴェンは私にそう約束してくれた。
「………お前達は、本当に………」
父様は目に涙を溜めて私の頬に手を添える。
「強くて気高い、女王だ」
お前達、それが私と母様を示している事にすぐに気づいた。
「私は、母様のように強くはないよ?」
「いいや、お前はアスラーナにそっくりだよ……」
そうか、それなら嬉しい。
私も、ずっと強くなりたかったから……
「でも、苦しくても、辛くても、泣きじゃくってもまた立ち上がる強さは、父様ゆずりだって思うな」
「ははっ、それは違いないな」
私達は笑顔を交わす。
たとえ、この先に私達の別れが待っていても、私は今日を忘れずに彼らの心の中で生きていこう。
絶対に運命を変えてみせる。
この世界は、私の大好きな人達が懸命に生きる、美しい世界なのだから………


