「優しいお前だから、皆が守ろうとするんだろうな。お前の言う事なら、俺は信じてみようって思える」


「レイン………」


「お前の信じる思想を、俺も信じてみる。いつか、誰もが笑顔で過ごせるような世界を見てみてぇしな」



そう言って笑うレインに、私も笑顔を返す。


そんな世界の為なら、この疲労感も、命をかけるのも、無駄にはならない。



「ふぅ…………」


あぁ、なんだか急に眠くなってきたな……
レインの腕の中、すごく、安心するからかな……



「眠いのか、スイラン?」

「う……ん……」




思い瞼と戦いながら、なんとか返事を返す。



「寝てろ、お前の事は、ちゃんと連れて帰る」


“連れて帰る“、これが私達の旅の終わりを意味している事に今さら気付く。


二人でいられるのも、これで最期だ……


「レイン……ありがとう……」


ずっと傍にいてくれて、この手を引いてくれて…
あなたと、一つになった夜を今も昨日の事のように思い出す。