「この村で生き残ったのはおじいさんだけ?」
「いいや、まだおるよ。ただ、皆、気力がすり減って、生きているとは言いがたいがのう……」
「そうですか………」
おじいさんの言葉に、私は心が決まった。
私はきっと、皆の幸せを奪って生きれば後悔に苦しんで生きてはいけない。
なにより、レインにも、同じような絶望を味合わせる事になる。
この世界で生きる限り、世界を変えなければ私達は幸せにはなれないんだと思う。
「ねぇ、レイン……」
レインに向き直り、決意を込めて見つめると、レインは悲しげに眉を歪めた。
「聞きたくねぇ……。一緒に生きるんだろ、俺達…」
一緒に生きる………
私も、そうやってレインと共に歳を重ねて、ずっと一緒にいたかったよ……
「聞いて、レイン…」
私はレインと両手を重ね、指を絡めた。
「犠牲になるんだろ、絶対にさせねぇよ」
「私、気付いたんだ」
これは、犠牲とは違う。
私はきっと、私が幸せになる為に消えるんだ。
「私の幸せは、もちろんレインと生きる事」
レインと愛し合って、笑顔を交わして、時には喧嘩もして…
そんな幸せな毎日を送りたかった。
「でもね、このままじゃ、世界が先に滅びる……私達が生きる場所が無くなるんだよ」
「でも、お前がいない世界なんて、俺は……」
「私も同じなの。あなたが生きられない世界になんて、絶対にしたくない!」
自分でも驚くくらい大きな声が出た。
そうだ、やっと分かった。
私の幸せはレインで、レインが幸せに生きる為にこの命をかけられるなら構わないんだ。


