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ー隣国、ガハラテルナ王国。



逃げ出してからまる3日。
隣国へ入り、袈裟を深々と被りながら私達はガハラテルナの町を進む。


「3日か………見つからねぇとか、アルバンテールの騎士団もまだまだだな」


おちゃらけたように笑うレインに笑顔を返す。


「ふふっ、私達の逃げの技が優れてるのかも」

「ま、俺が付いてるんだ、このくらい当たり前だろ」


「もー、自分で言わなきゃ100点だったのに!」


こうやって、笑い合わなきゃ、きっと前に進めない。
私達を探して、父様が騎士団を各国に派遣してる。



父様………
私が望んで国を捨てたなんて、思いもしないんだろうな…



ズキリと胸が痛む。


傷つくなんて、許されないよね……
私は自分が幸せになりたくて、最低な選択をしたんだから…


「スイラン、腹が減ったか?ほら…」


レインは、ガハラテルナ名物のガラハまんといわれる肉の詰まったお饅頭を私に手渡す。


「ありがとう、レイン」


ガラハまんに口を付ける。
本当なら、もっとおいしいんだろうな………


でも、今はこの胸にある罪悪感に食欲も沸かない。
ただ、レインに心配をかけまいとむりやり詰め込んだ。