あれから、散々大晴にからかわれて教室を出た
あいつは部活があるから一緒には帰らない
僕も一応吹奏楽部に入っているけど、実質、帰宅部みたいなものだ。
だからほとんど部活もない。
いつもみたいに自転車に乗ってイヤホンをする
お気に入りの曲をかけながら、ゆっくり帰るこの時間が嫌いじゃなかった。
ももちゃんに会えるかも…なんて期待してもみるけど、彼女は部活が忙しいからなかなか会うことはない。
ぼーっと音楽を聞き流しながら坂道を下る
ふと気になる事に気づき、自転車を止めた。
「あれ、こんなとこにカフェなんかあったかな?」
そこは、アンティーク調の小さなお店だった。
ドアから少し除くと、美味しそうなお菓子が見える。
興味はあったが、わざわざ寄るほど甘いものが好きな訳ではなかったので、そのまま帰ることにした
家に着くと、今日あった事を思い出し、自然とにやけてしまった。
「ふふっ、」
きっと、すごく気持ち悪い顔をしているに違いない
