「おーい、何暗い顔してんだよ、真!」
「わっ、びっくりした…大晴か…
別に、暗くなんかないよ!」
「嘘だねー、なんか思いつめてるよーな顔してたぜ」
こいつは工藤大晴。
僕の一番の親友だ。
明るくてちょっと天然でクラスでもムードメーカーの様なやつ。
そんな彼がなんで僕とつるむのか、正直謎だけど、大晴はあまり気にしてないみたい。
性格は似てるとはいえないけど、よき理解者だと思う。
僕は彼にちょっぴり憧れてたりもする。
「どーせまた、ももちゃんのことでも見てたんだろ?」
にやにやと口角をあげながら、ずばりと言い当てられてしまう。
「ちがっ!やめ、やめろよっ!」
「テンパりすぎだってぇ、落ち着けって」
くつくつと笑う大晴。
たったこれだけでここまで動揺する自分に赤面してしまう
ももちゃんというのが、僕の好きな人。
本名は成田もも。
セミロングのポニーテールがトレードマーク
長いまつげ、黒目がちな大きな目。
小麦色の肌に真っ白な歯でにかっと笑う姿が、本当に可愛らしくて目が離せなくなる。
150cmほどの小柄な彼女だけど、誰よりもおおらかで優しくて、かっこいい。
そんな彼女に僕は夢中なんだ。
