「……よし!終わった!
美月、帰ろ!」
パンパンに膨らんだ鞄のチャックを閉め終えた愛生が、私を誘い掛ける。
「うん」
私は頷き、鞄を持って教室を出た。
…ふと気になり、三組の教室を見てみると、沙羅さんが丁度出て来た所だった。
それを愛生が目敏く見つけたのか、沙羅さんの方を向き、
「沙羅ぁー!
また明日ねぇー!」
と、笑顔で手を振った。
すると、沙羅さんもすぐ気付き、愛生の方にゆっくり振り向いた。
「あっ、愛生!
…うん! 明日、部活でねぇ」
沙羅さんも愛生に笑顔でそう言うと、踵を返してまた廊下を歩き出した。


