――あれから一ヶ月。
今日は待ちに待った終業式。
この日が終われば、明日から夏休みだ。
…夏休み。
明日から、太郎さんが早速日本へ来てくれるそうだ。
私は、この時が来るのをどれだけ待っていた事か。
結局、メールするだけで、太郎さんの着信は無かったし。
それは、少しショックでもあったけど。
「おおい!美月~!」
背後から大きな声で私を呼ぶ声がして、さっと振り向く。
私を呼んでいたのは、愛生だった。
今日の愛生は、朝夕共部活が無いからなのか、伸びてきたボブヘアを可愛く編み込みにしていた。
いつもの愛生とは違う、可愛らしい愛生を見た気がした。