――次の日。
いつものように登校した私。
朝、見慣れた教室にいつものように入ると、私を目敏く見つけた愛生が、私に駆け寄って来て、
「おはよう!美月」
と、明るく声を出しながら右手を軽く上げた。
「おはよー、愛生」
愛生のいつもより遥かに高いテンションに、こりゃ何かあったなと、少し呆れた声で愛生の声かけに答えた。
「ねーねー美月、聞いてよ!」
愛生が、私にすりよりながら少し上ずった声で言った。
やっぱり、何か良い事あったのか。
「愛生ちゃん、今回はどんな良い事があったの~?」
半分わざとふざけながら愛生に聞いた。
「へへ、バレたか。
さっすが美月だね!
私が良い事あったの、すぐわかるよね」
愛生はおどけたように言ったけど、私の心の中が、
“バレバレだよ、愛生”
と呟いた。


