途中の分かれ道で、愛生と別れてまた歩き出した。
この道は、通ってるだけでも懐かしい。
…実は、この道は、私が転んだ時、雄輝お兄ちゃんが心配してくれた、あの場所だったんだ。
あれからも、ここは何も変わってない。
だからこそ、余計に懐かしく感じた。
…その時。
ふわりと、赤い何かが私の頭の上を通り過ぎ、近くの木に引っ掛かった。
私はそれに気付き、気になってその木の方へ行ってみた。
赤い風船だったみたい。
「…あれ?」
異変に気付いた。
風船の先に、何か付いてる。
それは、小さく折り畳まれた、白い紙だった。
私は、それをそっと取り、手にしっかり握って家に持ち帰った。
そして、部屋に行き、カサカサと紙を開いてみた。