…私は、お母さんに耳を済ませると、お母さんは悲しげに言った。
「…雄輝くんのお父さんの会社が経営破綻したわ」
経営破綻。
倒産しちゃった…の?
でも、悲しみは、それだけでは終わらなかった。
お母さんはさらに続けた。
「雄輝くん家、今の家を売って引っ越すんですって」
「えっ?引っ越すって、どこに?その辺の近所?」
私が聞くと、お母さんは静かに首を横に振った。
「じゃ、じゃあ、北海道とか、もっと遠くの方?」
また興奮気味に聞くと、お母さんはさっきよりも大きく首を横に振った。
「もっと遠くよ」
「え―――――?」
もっと、遠く。
雄輝お兄ちゃんの引っ越し先は、私の想像よりも明らかに遠い場所だった。


