「ヨッシャ~!明日から夏休みだぁ~!!」

期末テスト最終教科が終わると親友の草野 晃(くさの あきら)が叫んだ。

「夏休みね~嬉しそうだけどお前、なんかやることあんの?」

「なんだよエイジ!お前冷めてんなぁ~」

「お前みたいに毎日ハイテンションな人間の方が珍しいよ。」

「相変わらず毒舌だねぇ」
「弁護士の母親譲りだよ」
そんな漫才みたいなやり取りをしていると…

教室中がザワザワし出し、皆窓のところに集まり始めた。

わけもわからず晃と首を傾げていると、

「キャー!!」
「うわっ!マジかよ!」

といった悲鳴が聞こえてきた。
何か電気のようなものが身体中を駆け巡り、人混みをかき分け、窓の外を見ると…

うちの高校の制服を着た転落死体があった…

「自殺か?!」

晃が言った。

「晃、ちょっと来い!」

ボクは晃の手を引き屋上に向かった。が、

「ダメだ!鍵がかかってる!」

晃が言った。

屋上に出るドアには鍵がかかっていて開かなかった…
しばらくして何人かの教師が来て、鍵を開けた。

屋上には遺書らしきものと内履きが置いてあった…

こうして、最悪の夏休みは幕を開けた…