ボクたちの関係が本当に壊れたのは、多分、今、この瞬間だ。
ボクが、塗り固めた嘘の上で安穏と過ごすことを拒んだ――、汚い自分で居続けることを拒んだ、この瞬間なのだ。
嘘と誤魔化しを繰り返して、小さな綻びを見て見ぬフリをしてきた長い年月でもなく。
ぬるま湯に石を投げ込まれて、舞い上がった水底の泥で何かを見失ったあの時でもなく。
苦しんで、傷つけて、十何年ぶりの涙を流したあの時でもなく。
ただボクが【楽】になる道を拒んだ、今、この瞬間なのだ。
他の誰でもなく、ボク自身が。
大事にし続けてきたボクらの関係を――壊した。
ボクが、塗り固めた嘘の上で安穏と過ごすことを拒んだ――、汚い自分で居続けることを拒んだ、この瞬間なのだ。
嘘と誤魔化しを繰り返して、小さな綻びを見て見ぬフリをしてきた長い年月でもなく。
ぬるま湯に石を投げ込まれて、舞い上がった水底の泥で何かを見失ったあの時でもなく。
苦しんで、傷つけて、十何年ぶりの涙を流したあの時でもなく。
ただボクが【楽】になる道を拒んだ、今、この瞬間なのだ。
他の誰でもなく、ボク自身が。
大事にし続けてきたボクらの関係を――壊した。


