【完結】bitter step!

「純平」

「おう?」

「殴っていい?」

「……せめて、しっぺにしない?」

「百歩譲って、デコピンで許してやるよ」


ボクの言葉に、純平は大げさに額を抑えて飛び退いた。


「てめぇ、テスト前に脳ミソに攻撃を加えようとは姑息な!!」

「手をどけろ。この一撃でお前の頭が良くなることはあっても、それ以上悪くなることはないから案ずるな!!」


正門をくぐる。
行き交う登校中の生徒たちが、ボクらの大声での掛け合いをジロジロと見て笑っていた。