……バレンタインの翌日は、来たのに。
今日になって、あからさまに避けるのか。


ちゃんと話そうと、ボクが変わる必要はないのだと、そう、答えは出たのに。


「まあ、そう言ってやるなよ。テスト期間中はテストに集中しろっていう、アイツなりの気遣いだろ」

ガシガシと頭を押えつけてくる純平の手を振り払いながら、

「庇うなよ! 美紗は逃げたんだろ、ボクから」

強い言葉が、思わずこぼれる。


「そうじゃねえって」

ボクが払った右手を逆に掴んできた純平は、真っ直ぐに視線を逸らさず続けた。


「アイツは絶対逃げたりしねえ。信じろ」


自信に溢れた純平の言葉は、ボクの中に生じた疑惑と不安に、真っ向からぶつかってきた。