長い沈黙の後に聞こえた、深いため息。
『なお』
「……うん」
そして、大きく息を吸い込んだ音。
『許せないくらい、怒ってるか?』
「――ッ!?」
違……、怒ってるわけ、じゃ、
『悪かった。マジで。どうかしてた』
怒ってなんか、ない。
ただ驚いて、……傷ついた、それだけだ。
『……許せよ』
傷ついたんだ、ボクは。
恋愛感情を伴わない、暴力的な破壊衝動に奪われたファーストキス。
痛みを――、傷だけを残した、それに。
『忘れなくていいから……許せ』
最後通告では、なかった。
これは懇願。
ただひたすらに許しを請う、悲痛な叫びだった。
震えが止まって、すうっと冷静さが戻った。
「――もう、……いい」
苦しげな声は、もう、聞きたくない。
それよりもボクには、
「純平。もしボクが」
もっと聞きたいことが、出来た。
「純平のコト好きだって言ったら――、純平、どうする?」
『なお』
「……うん」
そして、大きく息を吸い込んだ音。
『許せないくらい、怒ってるか?』
「――ッ!?」
違……、怒ってるわけ、じゃ、
『悪かった。マジで。どうかしてた』
怒ってなんか、ない。
ただ驚いて、……傷ついた、それだけだ。
『……許せよ』
傷ついたんだ、ボクは。
恋愛感情を伴わない、暴力的な破壊衝動に奪われたファーストキス。
痛みを――、傷だけを残した、それに。
『忘れなくていいから……許せ』
最後通告では、なかった。
これは懇願。
ただひたすらに許しを請う、悲痛な叫びだった。
震えが止まって、すうっと冷静さが戻った。
「――もう、……いい」
苦しげな声は、もう、聞きたくない。
それよりもボクには、
「純平。もしボクが」
もっと聞きたいことが、出来た。
「純平のコト好きだって言ったら――、純平、どうする?」


