それから一気に場の空気が和んで話が弾み、先輩が地熱発電の研究のために九州の大学に進学するという話になってからは、父さんも彼を見直したかのように興味深々の様子で親睦を深めていた。


最初の勉強会があった金曜日の帰り際、土日も続けて勉強会を【ボクの家で】やることを、響先輩は少し渋ったようだった。
理由ははっきり教えてくれないけれど。

それでも、もし場所を図書館に移して美紗や純平と鉢合わせることになったらそれは気まずいとボクがごり押しした。


美紗とはいずれ、ちゃんと話そう。
先輩がそういう気持ちにはさせてくれたけど、そうするにしてもタイミングとか状況とかがある。

別々の勉強会を同じ場所で行うなんて、滑稽にもほどがあると思ったから。