響先輩が綴る整った綺麗な文字列を、ボクは感嘆の目でじっと見つめた。
次々に繰り出される数式は頭が痛いだけなんだけど、彼が動かすペンがマシンみたいに整然と並べていく数字と記号は美しかった。
無意識にほぅっと出てしまったため息に、先輩の手がピクリと止まる。
「いきなり計算問題、嫌だった?」
違うし!
「……あ、ちゃんと問題集用意した方が良かったかな」
困ったように頭を掻く彼の言葉を、慌てて遮る。
「文字が!」
「え?」
きょとんとした先輩の黒目は、ちょっとだけ大きくなった気がする。
可愛いかも。
じゃ、なくて
「綺麗な字書くなぁと思って」
と素直に告げると、はにかんだ様に彼は笑った。
次々に繰り出される数式は頭が痛いだけなんだけど、彼が動かすペンがマシンみたいに整然と並べていく数字と記号は美しかった。
無意識にほぅっと出てしまったため息に、先輩の手がピクリと止まる。
「いきなり計算問題、嫌だった?」
違うし!
「……あ、ちゃんと問題集用意した方が良かったかな」
困ったように頭を掻く彼の言葉を、慌てて遮る。
「文字が!」
「え?」
きょとんとした先輩の黒目は、ちょっとだけ大きくなった気がする。
可愛いかも。
じゃ、なくて
「綺麗な字書くなぁと思って」
と素直に告げると、はにかんだ様に彼は笑った。


