【完結】bitter step!

「いいコト言うと思ったでしょ。感動した?」

「……全ッ然」

そういう事を自分で言っちゃわなければ、少しは感動できたかも知れないけどね。


このちゃらけた現・生徒会長は、ボクの知っている会長像とはあまりにもかけ離れていた。

学年のせいか身長のせいかふざけたキャラのせいか、梶原はやたら等身大で親しみやすいかわりに、威厳とか風格みたいな大それたモノは微塵も感じない。
漠然と響先輩との共通項を感じなくもないのだけど、それが何なのかは良く分からなかった。

ただ、会長としての頼りがいを全く感じさせないこの男と、友達にはなれる気がした。


そして――、頭の片隅に浮かぶ。

もし響先輩が同学年で、恋愛感情抜きで知り合っていたら。
彼とも、いい友達になれてたんじゃないか、と。