背中に回された手が、母親が子供を寝かしつける時みたいに、静かにトン、トンとボクを叩いている。
それが、心地よかった。
先輩のYシャツを涙で濡らしてしまっていたことに気付いたけど、恥ずかしくて、顔が上げられない。
自ら両手を回して抱きついていたことにも今更ながら気付いて、そっとその腕を解く。
ごめんなさいの意味を込めて、シャツの濡れてしまった箇所にそっと触れた。
顔は見れなかったけど、先輩が少しだけ笑った気がした。
「涙は、我慢したらダメなんだよ」
泣き止んだことを確認したのか、先輩は改めてそう言うと、ボクの短い髪をすくように撫でる。
降りてきた手が耳を掠めてくすぐったかった。
思わず顔を上げる。
目が合った途端に「分かった?」と念を押してくるので頷いて見せると、彼は目を細めて笑ってくれた。
それが、心地よかった。
先輩のYシャツを涙で濡らしてしまっていたことに気付いたけど、恥ずかしくて、顔が上げられない。
自ら両手を回して抱きついていたことにも今更ながら気付いて、そっとその腕を解く。
ごめんなさいの意味を込めて、シャツの濡れてしまった箇所にそっと触れた。
顔は見れなかったけど、先輩が少しだけ笑った気がした。
「涙は、我慢したらダメなんだよ」
泣き止んだことを確認したのか、先輩は改めてそう言うと、ボクの短い髪をすくように撫でる。
降りてきた手が耳を掠めてくすぐったかった。
思わず顔を上げる。
目が合った途端に「分かった?」と念を押してくるので頷いて見せると、彼は目を細めて笑ってくれた。


