その間ボクは一歩も席から動かなかった。
自分の席から一歩離れた途端、居場所を見失う気がしたから。
そして授業が終わると同時、最後のSHRに担任が現れるのを待たずに、カバンと、2人分のコートを抱えて教室を飛び出した。
早く、早く迎えに行かなきゃ、純平を。
彼が待っている保証などどこにもなかった。
もういないかも知れない。
仮に待っていたところで――、また、お互いを傷つけあうだけかも知れない。
帰れと追い返されるかもしれない。
それでも。
ボクは、全力で廊下を駆け抜ける。
ただその先に、純平が待っていることだけを信じて。
自分の席から一歩離れた途端、居場所を見失う気がしたから。
そして授業が終わると同時、最後のSHRに担任が現れるのを待たずに、カバンと、2人分のコートを抱えて教室を飛び出した。
早く、早く迎えに行かなきゃ、純平を。
彼が待っている保証などどこにもなかった。
もういないかも知れない。
仮に待っていたところで――、また、お互いを傷つけあうだけかも知れない。
帰れと追い返されるかもしれない。
それでも。
ボクは、全力で廊下を駆け抜ける。
ただその先に、純平が待っていることだけを信じて。


