【完結】bitter step!

5限目の残り時間は短く、ボクのせいで途中で途切れた授業を再開する気にもならなかったのか、先生は雑談やらテスト範囲のまとめとおさらいやらで時間をつぶして去って行った。


休み時間に隣の席の男子に歴史のノートを借りて、即行で写させてもらう。
穴埋め式のプリントを併用するこの授業では板書量自体がそれほど多くないので、この作業はすぐに済んだ。


それから、嘘の腹痛を気遣う友達やバレンタイン関連で声をかけたそうな女子が近寄ってくる前に、机に伏して寝たフリをした。

嘘を重ねるのも、誰かと話すことすら、億劫だった。


6限目(幸か不幸か物理だった)の授業をしっかり受けた。

……しっかり、と言うのは語弊がある。
ただひたすら黒板に書かれる文字をノートに書き写した。