【完結】bitter step!

あそこって……

「生徒会室」

……なるほど。
言われて納得だ。


「先輩はあそこから、安全かつ優雅に、迫りくる危険に脅え寒さに震えながら食事をするボクらを観察していたわけですね」


皮肉を言ったつもりじゃないのだけど(いや嘘だ、完全に皮肉だ)、先輩は申し訳なさそうに眉を下げた。


「ごめんね。外は寒かったでしょ」

「あ、いや、まあ……そうっすね」


そうストレートに謝罪されてしまうと、何とも言い難い。
皮肉った後でなんだけど、ボクらが外で弁当を食べなきゃならなかったのが彼のせいではないことくらい分かっている。

だが、ここで「そんなことないです、気にしないでください」とか言えるほど、ボクは気の利いた人間じゃない。
外で食う昼飯は、実際スゲー寒くて苦痛だったし。