【完結】bitter step!

このやり取りの間終始腹を抱えて笑っていた純平が、ニヤついた顔で

「お前、モテモテだな」

とからかってくる。

何か言い返してやろうかと思ったけど……やめた。


――ボクがバレンタインに手作りのチョコレートなんて、気持ち悪がられるに決まっている――


そんな不安すらあったボクにとって、こういう反応は、【居たたまれない】よりも【心地良い】の方が勝っていたから。

正直恥ずかしいしこそばゆいし、アホくさいとも思う。
けど、結局のところ本音は嬉しいのだ。


「さっさと開けろよ、美紗」

そうぶっきらぼうに急かしたのは、半分、照れ隠し。