もう一口コーヒーを飲んでから、響先輩が応える。

「……どうしたの?改まって」

あと少しのオムライスを口に運ぶことを忘れて、ボクは手を止めていた。


「お知り合いになれて、良かったです」


美紗のその言葉に、純平の身体が小さく反応した。

少し彼が力んだのがボクにも伝わってきて、心臓が苦しくなった。


大丈夫。
美紗は別に、今この場で、響先輩に告白しようとしているわけじゃないよ。

――そう言って手を握ってやりたい。
もちろん、そんなこと出来るわけないのだけど。


美紗が言わんとすることを推し量りかねたのか、先輩は小さく首を傾げて先を促した。