「あー、こうやって4人で飯食うの、今日で最後なんすね」
と、純平は何気ない様子で口にしてから小さく「あっ」と声を漏らした。
ボクの友達として、なのか、響先輩との男同士の何かがそうさせるのか、純平は先輩のことを――ボクが保留にしたままの、彼の気持ちを――よく気にかけているように感じる。
ボクにとってもそれは、触れて欲しくない話題だったけど……、でもその話題を避けるのは、却って不自然だった。
響先輩は笑った。
おでこの辺りに少し力の入った、無理やりな作り笑いだった。
「そうだね。――淋しいな」
ボクは食べかけのオムライスの上に乗った【ハッピー】の文字を、箸でぐちゃぐちゃにして消した。
大した意味はない。
ただ無性に、その文字が場違いに思えただけだ。
と、純平は何気ない様子で口にしてから小さく「あっ」と声を漏らした。
ボクの友達として、なのか、響先輩との男同士の何かがそうさせるのか、純平は先輩のことを――ボクが保留にしたままの、彼の気持ちを――よく気にかけているように感じる。
ボクにとってもそれは、触れて欲しくない話題だったけど……、でもその話題を避けるのは、却って不自然だった。
響先輩は笑った。
おでこの辺りに少し力の入った、無理やりな作り笑いだった。
「そうだね。――淋しいな」
ボクは食べかけのオムライスの上に乗った【ハッピー】の文字を、箸でぐちゃぐちゃにして消した。
大した意味はない。
ただ無性に、その文字が場違いに思えただけだ。


