昔からの遊具は、変わらずそこにあった。

3本のチェーンで吊り下げられたタイヤのブランコが2つ。
半分地面に埋まったタイヤが10メートルほど1列に並んだアスレチック。
巨大な砂場の上に作られた恐竜型のタイヤのモニュメント。


ちょうどそういう時間だったのか、公園の2つのベンチの脇にそれぞれ設置されている街灯に明かりが灯る。
少しだけ辺りが明るくなると、カラフルだったタイヤの塗装が半分以上はげていて、経年劣化かゴムはだいぶひび割れているのが見えた。


とっくに太陽も沈んで、もうすぐ夜がやってくる。
空は、夕日が残していったうっすらとした黄色と迫りくる闇色で、グラデーションを描いていた。