「ボクだって美紗のチョコ、毎年楽しみにしてたのに」
誰に触れていいのか分からないから、結局そんな無難なことを言ってボクはその場を逃げた。
「あら、誰にあげるなんてまだ言ってないじゃない。なおかも、よ?」
悪戯な笑みを浮かべる美紗がそんな事を言ったところで、どうせ――、
そうだ、純平だってあんな事言ってたけど。
彼の立場からしたら、美紗の爆弾発言は泣きそうな顔になるほどの一大事なのかもしれないけど。
どうせ、美紗がチョコをあげるのは純平だ。
どうせ……、多分、いや絶対。
――つまんない。
なんか、ボクだけがすっごくつまんない、ような気がした。
誰に触れていいのか分からないから、結局そんな無難なことを言ってボクはその場を逃げた。
「あら、誰にあげるなんてまだ言ってないじゃない。なおかも、よ?」
悪戯な笑みを浮かべる美紗がそんな事を言ったところで、どうせ――、
そうだ、純平だってあんな事言ってたけど。
彼の立場からしたら、美紗の爆弾発言は泣きそうな顔になるほどの一大事なのかもしれないけど。
どうせ、美紗がチョコをあげるのは純平だ。
どうせ……、多分、いや絶対。
――つまんない。
なんか、ボクだけがすっごくつまんない、ような気がした。


