日常・非日常

「でも」
固まった私を春樹が抱き寄せる。

「俺は、結婚するなら香織とだ、ってずっと前から思ってる。」

涙が、止まる。

「正直、いつとか、具体的には考えてなかった。今、香織と一緒にいたかったから、一緒に暮らしたいって言った。ずっと一緒にいたいって思った。それが結婚に繋がるなら、それでいいと思ってた。」

息を飲む。
ココロの闇が晴れていく。

「俺、まだ頼りないし、ガキだし」

「でも、香織が好きだよ」

力強く、抱きしめられる。私も腕に力を込める。

春樹は耳元で、結婚しよう、と言った。