【完結】遺族の強い希望により

「すぐに本当のこと、話してあげられなくてごめんね玲奈……」

母親の謝罪に、玲奈は無言で俯いた。


腹を割った親子の対話が始まろうとしている。
このまま同席しても良いものだろうか。

気まずい沈黙の中みのりがこっそりと亮を窺えば、彼もやはり居心地の悪そうな顔をしている。


「あの――席、外しましょうか俺たち。いや出直した方が良ければ、今日は……」

と、辞意を切り出したのは亮の方だ。
みのりにはその沈黙を破る勇気がなかった。

だが玲奈の母親は首を横に振った。


「どうかいてやってください。娘が全てを受け止めきれなかった時、そばで支えてあげて欲しいの」

そう静かに頭を下げられると、それ以上強くは言えない。