【完結】遺族の強い希望により

「言っとくけど私、怒ってるからね」

と、突然玲奈が真剣な顔をした。
何事かと2人は揃って姿勢を正す。

じろりと睨みつける目は、今の今まで叫んだり笑ったりしていた玲奈とは別人のようだった。

「ええと……色々報告が遅れたこと、かな?」

「違う!」

ぴしゃりと否定されて、みのりは首を縮めた。


「未婚の男女が迂闊に子ども作ったことと、みのりがそれを亮に言わずに1人で産もうとしてたことよ!」

言われてはっと息を呑んだ。
どきりとした。
玲奈の家族に何があったのか、聞かされたばかりではないか。

「玲奈、ごめん」
「反省してる」

謝る声は重なった。
玲奈はじっと2人の目を覗きこんだ。
そこに浮かぶ色を確かめるように、じっと。


玲奈の目にもまた、後悔と贖罪の色が滲んでいるように見えた。
玲奈はもしかしたらこの時、1人で子どもを産んだジェシカや、父親なしで生まれたエラのことを思っていたのかもしれない。