「もちろん……ありがとう」
答えた玲奈の声は、僅かばかり震えていた。
けれど次の瞬間上げた顔には、感謝の意が浮かんでいる。
「まだお仏壇もなくて……下なの、着いて来てくれる?」
本来の来訪目的へ立ち返ったここで、漸く亮もペースを取り戻して腰を上げた。
ところが言いだしっぺのはずのみのりは未だに座りこんだまま、先ほど玲奈に差し出した紙袋を覗きこむ。
「お父様にあげるドーナツ、どれにしよう。可愛いピンクのにする? ストロベリー」
「え、駄目! それ私が一番好きなやつ!」
「馬鹿ね玲奈、後でもらえばいいのよ。死んだら人はドーナツ食べないの、これからはお線香が食事なの」
答えた玲奈の声は、僅かばかり震えていた。
けれど次の瞬間上げた顔には、感謝の意が浮かんでいる。
「まだお仏壇もなくて……下なの、着いて来てくれる?」
本来の来訪目的へ立ち返ったここで、漸く亮もペースを取り戻して腰を上げた。
ところが言いだしっぺのはずのみのりは未だに座りこんだまま、先ほど玲奈に差し出した紙袋を覗きこむ。
「お父様にあげるドーナツ、どれにしよう。可愛いピンクのにする? ストロベリー」
「え、駄目! それ私が一番好きなやつ!」
「馬鹿ね玲奈、後でもらえばいいのよ。死んだら人はドーナツ食べないの、これからはお線香が食事なの」


