家には父もいるはずだ。
父が何をどこまで把握しているのかすら、みのりは知らなかった。
突然家を訪ねた亮が両親に何をどんな風に言うつもりなのか確かなことは聞かされていないが、彼が妊娠の件について触れ謝罪をするつもりでいることくらいは分かる。
妊娠していたことを話したら、亮がその父親だったと名乗り出たら、罵声を浴びせられるだろうか。
父はもしかしたら、亮に手をあげたりするだろうか。
半年以上引きこもっても、父はみのりには何も言わなかった。
諦めているのだろうと勝手に思っていたが、あの沈黙は本当にそれだけだったろうか。
知っているから、なのかもしれない。
ずっと怒っていたのかもしれない、相手の男のことを――亮のことを。
「笑いごとじゃないよ」
「そりゃそうだろ。親にしたら、簡単に許せることじゃないさ」
「でも、亮のせいじゃない」
みのりの言葉に亮が微笑んだのと、エレベーターが到着したのはほぼ同時だった。
父が何をどこまで把握しているのかすら、みのりは知らなかった。
突然家を訪ねた亮が両親に何をどんな風に言うつもりなのか確かなことは聞かされていないが、彼が妊娠の件について触れ謝罪をするつもりでいることくらいは分かる。
妊娠していたことを話したら、亮がその父親だったと名乗り出たら、罵声を浴びせられるだろうか。
父はもしかしたら、亮に手をあげたりするだろうか。
半年以上引きこもっても、父はみのりには何も言わなかった。
諦めているのだろうと勝手に思っていたが、あの沈黙は本当にそれだけだったろうか。
知っているから、なのかもしれない。
ずっと怒っていたのかもしれない、相手の男のことを――亮のことを。
「笑いごとじゃないよ」
「そりゃそうだろ。親にしたら、簡単に許せることじゃないさ」
「でも、亮のせいじゃない」
みのりの言葉に亮が微笑んだのと、エレベーターが到着したのはほぼ同時だった。


