亮の手が、触れている。
何の痕跡も残さずに消えてしまった赤ん坊が、確かに存在していた場所に、そっと。
みのりは何も悪くなかったと彼は言ってくれたけれど、違う、と彼女は思った。
父親に存在を知らせることすら許されなくても、1人でも赤ん坊を幸せに育てることは出来ると考えていたのだ。
――こんな風に……。
父親に認めて貰えた方が、赤ん坊も幸せだったに違いなかった。
もうそこにその子はいないのに、何かを確かめるようにそっと触れられて、みのりは喜びに震えた。
――ああ、知ってもらえた。亮に、あの子がいたことを、知ってもらえた。
何の痕跡も残さずに消えてしまった赤ん坊が、確かに存在していた場所に、そっと。
みのりは何も悪くなかったと彼は言ってくれたけれど、違う、と彼女は思った。
父親に存在を知らせることすら許されなくても、1人でも赤ん坊を幸せに育てることは出来ると考えていたのだ。
――こんな風に……。
父親に認めて貰えた方が、赤ん坊も幸せだったに違いなかった。
もうそこにその子はいないのに、何かを確かめるようにそっと触れられて、みのりは喜びに震えた。
――ああ、知ってもらえた。亮に、あの子がいたことを、知ってもらえた。


