亮の顔から血の気が引いていくのを、みのりは薄ら笑いを貼り付けたまま見つめていた。
上手く笑えてはいないのだろう。
それくらいは自分でも分かったが、ではこんな時、人はどういう表情をするものなのか。
「亮は優しすぎるな。同情か責任か、義務感だかなんだか知らないけど、気にしすぎ。だって亮には何にも悪いとこなかったよ? 押し付けがましく今さらやり直そうとか言われても、困っちゃうな」
求めて止まない人から差し延べられた手をつき返すには、紡がれた愛の言葉を覆させるには、今すぐに嫌われて愛想尽かされるには何を言えば良いのだろう。
頭の中ががんがん鳴っていた。
『しっかりしなさい』と、また、声が聞こえる。
――ああ、そうか。
「ねえ、私が殺したの。あなたの子ども、私のせいで死んだのよ」
――それが私の罪だ。許されていいはずがない。亮が、許すはずがない……。
上手く笑えてはいないのだろう。
それくらいは自分でも分かったが、ではこんな時、人はどういう表情をするものなのか。
「亮は優しすぎるな。同情か責任か、義務感だかなんだか知らないけど、気にしすぎ。だって亮には何にも悪いとこなかったよ? 押し付けがましく今さらやり直そうとか言われても、困っちゃうな」
求めて止まない人から差し延べられた手をつき返すには、紡がれた愛の言葉を覆させるには、今すぐに嫌われて愛想尽かされるには何を言えば良いのだろう。
頭の中ががんがん鳴っていた。
『しっかりしなさい』と、また、声が聞こえる。
――ああ、そうか。
「ねえ、私が殺したの。あなたの子ども、私のせいで死んだのよ」
――それが私の罪だ。許されていいはずがない。亮が、許すはずがない……。


