「勘違い、してるんだよ亮」
「――……みのり?」
身籠りはしたが、産まれなかった。
彼はそれしか知らない。
だから、そのままでいい。
みのりにとってはそれは、辛い選択だった。
正しいのかどうかも分からない。
けれどそれが、これからの亮の人生を考えた時の最善の方法だと思った。
余計な痛みなど背負う必要はない。
自分を責めることも、後悔することもない。
別れて良かったと、子どもが産まれていなくて良かったと、そう思えばいい。
「赤ちゃん、流れたんじゃないよ、堕ろしたの。当たり前でしょう? 私たち、もう別れてたんだから。ごめんね、亮が赤ちゃん欲しかったなんて知らなかった。でも私まだ学生だったし。産めるわけないじゃん。もしあの時別れずに付き合ってたとしても、一緒だよ」
「――……みのり?」
身籠りはしたが、産まれなかった。
彼はそれしか知らない。
だから、そのままでいい。
みのりにとってはそれは、辛い選択だった。
正しいのかどうかも分からない。
けれどそれが、これからの亮の人生を考えた時の最善の方法だと思った。
余計な痛みなど背負う必要はない。
自分を責めることも、後悔することもない。
別れて良かったと、子どもが産まれていなくて良かったと、そう思えばいい。
「赤ちゃん、流れたんじゃないよ、堕ろしたの。当たり前でしょう? 私たち、もう別れてたんだから。ごめんね、亮が赤ちゃん欲しかったなんて知らなかった。でも私まだ学生だったし。産めるわけないじゃん。もしあの時別れずに付き合ってたとしても、一緒だよ」


