【完結】遺族の強い希望により

みのりが『注目を浴びた』と言ったから、急にそれを思い出したのかもしれない。
みのりはあの平手の時は自分が悪かったと思っているし、亮が謝りたいと言っているのも、そのことではないはずだった。

だが彼は、「大丈夫か」と叩いた所を労わるようにそっとなぞった。
外気で一気に冷やされていた頬に、彼の指先は温かかった。


そのまま目を閉じると、この距離が当たり前だった頃に意識が持って行かれそうになる。
みのりは慌てて顔に触れていた亮の手を掴み、下に降ろさせた。


「あはは、全然大丈夫。叩かれたの初めてだったね、びっくりした」

「痛かったろ?」

「うん、脳みそ揺れた」

「……マジ? ほんとごめん」

「嘘だよ嘘! いいよ、あれは私が悪かったし。むしろありがとう」

「叩かれてありがとうってのは変だろ」

「あー、Mみたい?」