【完結】遺族の強い希望により

ジェシカの立場だったら――その答えなら、みのりの中にはあった。
だがそれを亮に対して打ち明けるのは、ひどく勇気のいることだった。


質問に答え兼ねたみのりは、上手く回答を避けるために別の質問で返した。

「母親が凄いって、突然どうしたの?」

問いかけに対する返事を誤魔化されたとは気付いていないのか、亮は気にする風でもなく答える。


「だって男が親になるのは腹の外に出てきた後だろう。でも女は、宿した瞬間から母親なんだなって……1年くらいいるんだろ、腹ん中に。母親……つーか、女だよ、すげえのは」

敵わないな、と、亮は少し笑った。