【完結】遺族の強い希望により

「なんかさ、母親ってすげぇな」

不意に呟いた亮の真意を、みのりは量り兼ねた。
今の言葉の『母親』が指しているのは、玲奈の母親のことだろうか。
それともジェシカのことだろうか。


「お前だったら、どうする?」

続いた質問も、どうとも取れる。


――それは、私がもし玲奈の立場だったら、という意味? それとも……。


ジェシカの立場だったら、という意味だろうか。
どちらにしても、難しい質問だった。


父の突然死だけでも大変なところに畳み掛けるようにネットの中傷記事、さらに衝撃的な事実を突き付けられた玲奈の気持ちを、親友として案じ、推し量ることは出来ても完全に理解は出来ないだろう。

どれだけ相手の身になって考えたところで、実際にその立場になってみなければ分からない複雑な感情というものはある。