【完結】遺族の強い希望により

「仕方ないでしょ、それともみのりにやらせる気? 英語で書かれてるのよ。みのりにとっては異世界の呪文みたいなものよ。熱でも出して倒れたらどうするの」

「ぐ……ごめん、私が馬鹿なばっかりに」


ついにはっきり地雷を踏んできた玲奈に、みのりは両手を合わせる。
本来ならその役は自分が買って出るべきなのだろうが、とてもじゃないが無理そうだ。

くすくすと、玲奈に束の間の笑いが戻る。
嫌な役を押し付けられて顔をしかめていた亮も、ふっと笑った。


自分でも嫌になるくらい、みのりはこの場で役立たずだった。
2人が笑ってくれるから、それだけが救いだった。