「お嬢様、ヴァイオリンのレッスンのお時間です。」

いつもの声が響き、わたしは振り返った。
メイドの美杞は無表情のまま、わたしと視線を合わせた。

「わかったわ。下がっていいわよ。」
「其の後は、旦那さんのお客様がお見えになります。」

言葉を残し、彼女はさっさと下がった。