最近は、学校に行く時間をなるべく遅らしている。


遅刻はしないように、ギリギリに到着するようにしていた。


いじめられる時間を、ちょっとでも減らしたかったから。


どうせいじめられるんなら、自分で回避するように頑張るしかない。


頑張る……なんて、無茶な話だけど。


教室の前に立つと、ドアを開ける手が震えた。


 入りたくない。


 入りたくない。


その言葉が頭を駆け巡った。


でも、入らなきゃいけない。


私は力を振り絞ってドアを開けた。


ドアが、とても重く感じた。