私はその日を何とか終えた後、すぐに家へと向かった。
走りたい。
走って家に帰りたい。
でも走る気力さえ残っていなかった。
歩くのでやっと。
前を向くので精一杯。
下を向くことが日常になってきて、周りから見ると私は暗い人に見えるだろう。
下を向くしかないんだもん。
前を向いて歩く自信なんてないんだもん。
気づけば、その辺にいる知らない人にまで変な目で見られている気がしていた。
頭では分かっている。
私のことは誰も知らない。
むしろ見られてすらいない。
なのに、私はすごく不安なんだ。
みんなに拒絶されている気がして、みんなから変な目で見られている気がする。
だから、前を向けない。
もはや下を向いていることの方が落ち着く。
自分の髪の毛で視界が縮まり、自分が歩くところだけが見える。
周りからも、私の顔は見えていないはず。
誰にも見られたくない。
誰にも関わられたくない。
誰も信用できない。
信用したくない。
私は……絶対誰も信用しない。
私は、重い足を運んだ。
そうしていつもの道が今日はすごく長かったような気がして、家についた瞬間自分の部屋に行ってベッドに横になり、疲れてすぐに寝てしまった。

