「なんだつまんなーい。もっと面白くなるかなーって思ったのに~。」
未歩は机に頬杖をつきながらそう言った。
他のみんなも、ヒソヒソと話し、くすくすと笑い、私の話題が広まっている。
授業が終わって、未歩と香織が私の席に来た。
「ちょっと、あんたのせいで先生に怒られたじゃない~。ノートがあったら、あんなに説教されなくてすんだのに。ほら、先生も言ってたじゃん?盗んだのなら謝りなさいって。謝りなさいよ。」
未歩はそう言って私の机にバン!と手のひらを打ち付けた。
「わ、私は何もしてない……盗んでなんかなかったじゃん。」
私は膝に手を置き、ぎゅっと拳を握りしめた。
「なによ生意気!謝れ!あんたのせいなんだから!」
なにが?
意味わかんない。
何が私のせいだっていうの?
何に謝るの?
私がなにをしたっていうの!
「……。」
私は何も言わず、自分の席で座ったまま下を向いていた。
「ちょっと無視する気?ほら謝れ!!」
勢いよく胸ぐらをつかんできた未歩。
私は未歩の目をじっと見た。
悔しい。
悔しいよ。
どうして私がこんな目に合わなきゃいけないの?

