「……え」


私は呆然と立ち尽くしたまま。


何が起きたか理解できない。


こんなことは今までに一度もなかったから。


嫌がらせはされても、私に直接手を出してくる人なんて未歩が一度私の胸ぐらをつかんだ以外誰もいなかったから。


「ふっ、あはは!だっせぇー!なんとか言えよほら、言ってみろよ。」


市山は吹き出すように笑い、私を見下す。


私は何も、言わなかった。


ううん、言えなかった。