いつも通り学校に行くと、クラスの雰囲気が変わっていた。
未歩と香織だけでなく、クラスに入ると同時にみんなが一斉にこちらを向いて、ヒソヒソとなにかを話しはじめた。
え、なに……?
この雰囲気……。
私はよくわからないまま自分の席につくと、みんなの視線はまだ私の方に向けられたままだった。
なに、なんなの!
「内宮さんってあれでしょ、ちょー性格悪いんでしょ?」
……え。
ボソッと、近くで話していた女子のグループから聞こえた。
「あーなんかね、グループの中で超イキってたらしいよ。しかも、自分の思い通りにいかないとすごい怒って、友達に当たりまくってたとか。」
なにそれ……?
「えーだから最近あの子仲間はずれにされてたんだ?まー仕方ないよねー、だって内宮さんが悪いし。」
ちょ……ちょっと。
「ねー。いい子そうな顔して、やること汚いよねー。」
「しかも、パシりとかさせてたらしいよ。1年の時とか、未歩ちゃん、ずっといいように利用されてて、課題とかも全部やらされてたらしいよ。」
「えー最悪!性格悪すぎ!」
なに言ってるの!?
「それで今、未歩ちゃんは香織ちゃんと仲良くなって、内宮さんとも一応仲良くしてたけど、香織ちゃんにまで同じようなことし始めたんだって。」
「うそ、なにそれ!だから2人とも、内宮さんに最近キツかったんだー。」
「しょうがないよね。だって内宮さんが悪いもん。」
「だね。仕返しされても仕方ないっしょ。ちょっと頭打たないとね、内宮さんも。」
……っ!?
なにそれ……。
なんなのそれ……。
おかしなことばっかりじゃない!
私、そんなこと一度もしてない!
一度もそんなことっ……。
こんな嘘っぱちな噂流すなんて、いったい誰が……
未歩だ。

