「そんな……」
「鈍感って、本当にすごい。だって私のことずっと信じて疑いもしないんだもん。ずぅーっと私はあんたを利用してきたのに、それに気づきもしない。」
「私っ利用された覚えなんてないよ!?」
「利用してたよ、ずっと、ずっとね!覚えてないの?私が暇なとき、あんたを誘って遊んでた。学校帰りも、私が家に帰っても暇だから、毎日暇してるあんたを誘っていた。香織と仲良くなってからも、香織が遊べない時や香織と遊ぶまでの間、あんたを暇つぶしとして使わせてもらった。」
「遊んだりするのは友達だからっ……」
「私はあんたとは合わないことなんてはじめからわかってた。」
私の話を遮る未歩。
「……!」
「うまく使えない奴がいなかったんだもん。私の好きに扱えるやつが。あんたなら、信じた人の言うことなら、信じてなんでもしてくれると思ったからね。」
「本気なの……?」
「はじめから本気だけど?」
「うそ……」
「だから、あんたは私のこと信用しすぎ。あぁいや、人のことを信用しすぎなのかな。」
「……未歩は……私のこと、少しも「好き」だって……「友達」だって、思ってくれたことないの……?」
「はっ?何言ってんの?私が?あんたのことを好き?冗談言わないでよ!」
お腹を抱えて笑う未歩。
「……っ」
「何を期待してたってわけ?」
未歩がだんだん、私の方へと歩み寄ってくる。
そして、未歩は言った。

